ペットの危篤もしもの時の為に信頼できる病院を探しておかないと後悔する

去年の１１月の平日、友達と夕食を食べたので帰りが遅くなりました。

私が飼っている猫ちゃんは、私の母親が大好きで、いつも一緒に寝ています。母親は１階、私は２階が自室です。

その日遅く帰ってきて、１階の母の部屋をのぞくと、猫ちゃんがいませんでした。たまに私の部屋にもやって来るので、さては私の部屋だなと思い、階段を上がりました。

扉を開けるとやはり猫ちゃんは私の部屋にいました。かわいらしく寝ころんでいました。微笑ましいと思う気持ちよりも先に恐怖な情景が目を奪いました。

大きく広がった赤い血が白いカーペットに染みこんでいました。それも２箇所も。

よく見るとネコちゃんの目がおかしい。すごく口の周りもよだれなのか湿っている。

猫ちゃんは寝てるんじゃない！もしかしたら・・・

恐ろしく、平然を保てず、私はネコちゃんの名前を呼びました。

すると、苦しそうに「ニャー。」と返事をしてくれました。声色は明らかに異常でしたが、か細くはなく、一生懸命お腹から返事をしてくれました。

そんなに苦しいなら、そんな大きな声をだそうとしなくていいのに・・・

わたしは胸が苦しくなり、涙がとまりませんでした。

今朝はあんなに元気だったのに・・・

猫ちゃんはもう１５年生きていて、病気にもかかっていました。もうこの状況は絶望でした。でも・・

とりあえず、生きてる！

私は急いで寝ている母親を起こして、妹と連絡を取って夜も開いている病院へ行きました。

そこはいつもお世話になっている病院ではなく、初めて来た場所です。場所が分からず、病院に電話をして道を案内してもらいました。

病院へ早く行かないと！とすごく気持ちが焦っていました。と同時に、病院へ着けば助かるかもしれない！という希望がありました。

そして、病院へついたらすぐに診てもらえるのだと勝手に思い込んでいた私達の思いは、あっけなく裏切られました。

病院の周りにも順番待ちらしき人達がいる。

私達の番は、なんと３番目でした。

タオルにくるまれた猫ちゃんは苦しそうでした。でもあきらめてほしくないから、時々名前を呼んで生きているのを確認していました。

名前を呼ぶとちゃんと返事をしてくれます。お腹から一生懸命「ニャー。」と言ってくれます。

その度にまた涙が止まりません。

一人目の診察が終わったところで、先生が様子を診にきてくれて、順番を変えましょうかと聞いてくれました。

２番目の方が骨折した犬を抱きかかえてやってきました。女性でした。

母親が「いいですよ、順番待ちます。」と言いました。

瀕死状態の猫を抱いて赤く目を腫らした私達３人。その様子を見たその女性は、何も言わず診察室へ入っていきました。

そうは言っても私は正直、女性が順番を代わってくれるのを期待していました。

こんな状況でも、譲ろうと思わないのか？最悪なやつだと思いました。

でも、それと同時に、もし逆の立場だったら自分はどうしただろうか？と考えたとき、自分も他人のペットが死んだとしても悲しくはないしどうも思わないなと思いました。

自分が今そういう経験をしているから、これからは他人とそのペットを想ってあげられるけれど、そういうつらい経験をしていなかったら、そうは思わなかったと思う。だからこの状況は仕方ないのだと。こういう状態でも順番を守る方が正しいのだから。

しばらくすると、診察室から笑い声と世間話が聞こえた。

どうやら診察は終わったようだ。だったら、早く変わってほしいのに、のらりくらりと世間話と帰る準備。そう、これはつまり女性だけでなく、先生にも危機感がないということです。

ようやく私達の番がやってきました。

猫ちゃんは苦しそうです。

たくさん血を吐いたので輸血が必要かもしれない、だけど、犬と違ってネコは輸血をしても拒絶することがほとんどで、つまり、輸血は期待できないとのこと。また、人間と違って血のストックもないので、輸血したければ、血をくれるネコを連れてこないといけないそうです。

そうすると、いきなり先生がちょっと待っててくださいと言って、奥へ行ってしばらくすると本を持って急いで戻ってきました。

そして、その本のあるページを開き、「猫は犬と違って輸血は拒絶することがほとんどである。」という一文を読みました。

以上。

は？

わざわざ先生はその一文を読む為に本を取りに言ったのです。

ばかじゃないかと思いました。さっきそれの説明は聞いたし、本を持ってきて同じ様な説明文１行読むことに何の価値もない。しかもこの切迫した状況でよくもそんなことができるなと思い、腹が立ちました。

自ら猫ちゃんが血をつくれるように、治療として増血剤を打つことにしました。そのためには猫ちゃんの体重を量る必要があったので、先生が猫ちゃんを持ち上げました。

しかし、その雑な持ち上げ方に驚きを隠せませんでした。そしてやはりそれが苦しかったのか、猫ちゃんが「ニャーッ！！ニャーッ！！」と叫んでいました。もちろん苦しそうな声で。。

それを聞いた先生はなんと、

「おっ、元気にないてますねー！元気でよかったですねー！」と、笑顔で言うのです。

こんな命の危険が迫った状況で、なんて間違ったところへ来てしまったんだろうと後悔しました。。

補助の方が薬を調剤している間も、先生はしんみりつらい状況の私達に、「この前旅行にいきましてね～！」とどうでもいい話を楽しそうに話し始めました。しかもテンションが高い。

猫ちゃんが診察台からいなくなると、すぐさま診察台、自分の手などを消毒し始めました。

もしなにかの菌が猫ちゃんについていたら他の動物にもうつるかもしれないからだそうで、それは理解できますが、何もすぐさま目の前でしなくても・・

この獣医とこの数十分接して、その数十分で、この人にとって獣医という仕事はお金儲けという位置づけでしかなくて、動物への愛情はないんだと確信しました。

本当はいつもお世話になっていた病院へ行きたかった。体の弱い猫ちゃんのことを親身になって相談に乗ってくれるとても信頼できる先生です。

その先生からは動物への愛情が伝わってきます。きっと動物が好きで獣医になったんだと。

本当のことはどうであれ、そう思わせてくれる方がこちらも信頼できて安心できるのです。

でも、夜は診察をしていないのです。多分ほとんどの病院が夜は診察をしていないんだと思います。

だから、こうなる前にかなりハードルは高いけれど、夜もやっている信頼できる病院を探しておくべきだったと後悔しました。

信頼できる病院で診てもらったけど命を助けることはできなかったという結果になる可能性はあるけれど、こちらの気持ち的な問題では、今回来てしまったこの最悪な病院よりかはずいぶん救われるはずだと思う。

そうして、診察後家に帰り、もしかしたらその日の夜が峠かもしれなかったけど、猫ちゃんは朝まで生きていました。

変わらずぐったりしていました。でも私の顔を見ると、毛布からでてこっちへ来ようとします。昨日の朝は元気に歩き回っていたのに、どうやら足も自由に動かないようで、ほふく前進の様に進もうとします。もういいから！と言ってもう一度毛布を着せました。

私は仕事に行かないといけなかったので、もう顔も上げられない猫ちゃんの代わりに猫ちゃんの顔をのぞき込み、名前を呼びました。ですが、名前を呼ぼうとすると涙がでて、なかなか呼べず、ようやくか細い声で名前が呼べました。

猫ちゃんはまた大きな声で（言ってるつもりの）返事をしてくれました。

そして仕事に行って、お昼が過ぎた頃に、ネコちゃんは亡くなりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

一人でもお多くの方が、私たちみたいに最悪な思いをしないで済むように、病院は探しておくことを強く勧めます。

助かる助からないに関わらず、最後に悔しい惨めな想いをしなくて済むからです。